母乳とミルクの違いって?どっちがいいの?

The difference between breast milk and formula.

「母乳ミルクどっちがいいの?」「うちはミルクだけど、母乳との違いはあるの?」
新米ママの最初の疑問だと思います。

世界保健機関(WHO)や米国小児科学会、日本小児科学会など国内外の機関や学会によって母乳育児が推奨される傾向がありますが、母乳とミルクの違いはなんでしょうか?
それぞれの特徴やメリット、デメリットを解説します。

母乳の特徴

産後まもなくから個人差はありますが1週間頃までに分泌される母乳のことを初乳(しょにゅう)といいます。
何日頃まで、という明確な定義はありません。

初乳は成乳に比べ白色透明〜黄色がかった色をしていて、トロっとしているのが特徴です。
初乳にはビタミンやミネラル、タンパク質など赤ちゃんにとって大切な栄養が詰まっていますが、脂肪の含有量は少ないため生まれたばかりの赤ちゃんにも消化しやすいです。
生まれたばかりの赤ちゃんは身体も胃袋も小さく、量もたくさん飲めないので少量で栄養が摂れるのはいいこと。

さらにこの初乳には赤ちゃんを病気から守るための免疫物質がたっぷり。たとえばウイルスや細菌を防ぐ働きをする”免疫グロブリンA (IgA)”や”ラクトフェリン”などがあります。
生まれてから6か月間、母乳を与え続けると3歳頃までの感染症のリスクを低減できるという報告もあります。
おなかの外の世界に出て来てくれてからも、母乳を与えることで赤ちゃんを守ってあげられますね。

2週目以降の母乳は初乳から成乳に変わり、脂肪分やカロリーが多くなってきます。
赤ちゃんの成長に合わせて母乳の成分も変化していきます。

ミルクの特徴

一般的に粉ミルクと呼ばれているものは、乳児用調製粉乳といい母乳の代替品として使われています。
よく似たフォローアップミルクという粉ミルクもありますが、これは離乳後期以降の栄養を補うためのミルクなので母乳の代替品にはなりません。
ミルクが主な栄養源の月齢の赤ちゃんに与えるのは乳児用調製粉乳のほうなので間違えないようにしましょう。

ここでは乳児用調製粉乳のことをミルクといいますが、ミルクは牛乳を原料として製造した食品を主要原料として、乳幼児に必要な栄養素を強化した粉末です。
各メーカーがからさまざまな種類のミルクが販売されていますが、どの製品を選んでも成分の違いに大きな差はありません。
ただ、ミルクには母乳に不足しがちなビタミンK、ビタミンDが多く含まれていることが特徴です。

母乳のメリット・デメリット

母乳とミルクの特徴は分かりましたね。
では母乳のメリット、デメリットをチェックしてみましょう。

母乳のメリット

赤ちゃんの免疫力が高まる

母乳の特徴のところでもお伝えしましたが、母乳とくに初乳には免疫物質がたっぷり含まれています。今後ミルクで育児をしていこうと思っているママも、初乳のうちは母乳も与えることをオススメします!

身体の回復を促すホルモンが分泌される

赤ちゃんがおっぱいを吸うとママの脳にその刺激が伝わり、もっと母乳を作るためのホルモンが分泌されます。そのホルモンがプロラクチンやオキシトシン。
さらにオキシトシンは母乳を作るだけではなく、産後の子宮の収縮を促進させ悪露の排泄を促すことで身体の回復効果が得られます。また出血量を抑え、貧血の予防をする働きもあるため産後の身体の回復を早くすることができるのです。

外出時の荷物が減る

長時間のお出かけのときに、哺乳瓶や水筒に入れて保温したお湯など調乳セットを持って行かなくていいので荷物を減らすことができます。
赤ちゃんとのお出かけはおむつ替えセットやお着替えなどで荷物がかさばりがち。少しでも身軽に動けるのが魅力です。

お金がかからない

母乳はママの身体から出るものなので基本的にはお金はかかりません。
しかし授乳ケープや母乳パッド、母乳外来の受診費用など全くお金がかからないというわけではありませんが、ミルク代の一部を他のものの購入費に充てられるのは嬉しいですね。

母乳のデメリット

赤ちゃんの腹持ちが悪い

ミルクに比べて母乳のほうが腹持ちが悪いといわれています。
しかしカロリーはミルクとさほど変わらず、母乳でもしっかり体重は増えます。
母乳だと上手く飲めているか、実際どれくらいの量を飲んだのかが分かりにくく、思ったより飲み取れていなかった結果、腹持ちが悪いような気がしてしまいます。

授乳間隔を何時間おきと決めたり、授乳時間を何分と区切ってしまうと赤ちゃんの満足する量の母乳が飲めないことがあります。
赤ちゃんの飲みたい要求に合わせて頻回に授乳しておっぱいを空にすることで、母乳の脂肪濃度も上がり腹持ちもよくなります。
頻回な授乳で大変になってしまうこともあるかもしれませんが、母乳が薄くて栄養がないから腹持ちが悪いわけではないので安心してくださいね!

ママもお腹がすく

おっぱいをあげているママはやたら食欲旺盛になります。
これはエネルギーを消費しているからだけではなく、産後のホルモンの変化によりレプチンの分泌量が減ってしまっているから。
レプチンは“抗肥満ホルモン”、“満腹ホルモン”と呼ばれていて食欲を調製する働きをしてくれているのですが、授乳期にはこのレプチンの分泌量が減ってしまうためお腹がすいてしまいます。

さらに産後は女性ホルモンの一種のエストロゲンも減ってしまい、このエストロゲンはレプチンの分泌量を増やす力があります。
つまり、エストロゲンも減る+レプチンも減る=だから食欲を抑える力も減る、ということです。

離乳食が始まる生後5〜6か月頃から徐々に母乳を与える回数が減っていくとママの食欲旺盛も落ち着きます
なぜなら母乳を作る量が減るとエストロゲンの分泌が増えて、レプチンの分泌も増えるから。

食べ過ぎを心配するママも多いですが、母乳の栄養はそのまま赤ちゃんの栄養にもなります。
しっかり栄養摂取しましょうね!

おっぱいトラブルが起きる

おっぱいを強く吸われすぎてしまったり、乳首を引っ張られてしまって痛みが出ることがあります。
また赤ちゃんに歯が生えてくる頃には噛まれて傷ができてしまうこともあります。
また産後2週間を過ぎた頃からは乳腺炎を起こしやすくなり、おっぱいが腫れたり熱が出たりすることがあります。
母乳を与えている間は何かしらのおっぱいトラブルが発生する可能性がありツラい思いをするママもいます。困ったときは産院や母乳外来に相談してくださいね。

食べ物や飲み物に気をつかう

ママが食べたものは母乳を通して赤ちゃんに移行するため、妊娠中と同じようにタバコやアルコール、お薬などには制限があります。
また糖分の多いものや脂っこい揚げ物などは母乳の味や出を悪くすることもあるのでできるだけ控えておきたいです。
唐辛子などの辛味成分が母乳に移行して母乳が辛くなることについては科学的根拠はないので、普段のお食事としてカレーやキムチを食べても大丈夫です。ただし、にんにくなど臭いの強い食べ物を食べるとその後3時間ほどは母乳にも臭いの影響があるため、赤ちゃんによっては嫌がってしまうこともあるので注意です。

ママ以外の授乳ができない

おっぱいはパパにはあげることはできません。夜間も授乳は全てママが担うことになるのでなかなかまとまって休む時間がとれなくなってしまいます。
パパと2人でお留守番をするとか、早めに保育園に入園して復職するとか、ママ以外の人と長く過ごす予定があるときは母乳のみだと困ってしまいますね。
ママが体調を崩してしまったときも母乳が難しくなることもあるので、いつ何があっても困らないようにときどき哺乳瓶でミルクを与える練習をしておくと安心です。
意外とミルクをあげたいと思っているパパも多いので、分担してみるのもいいですね。

ミルクのメリット・デメリット

次はミルクのメリット、デメリットを見ていきましょう。

ミルクのメリット

飲んだ量がわかる

母乳だとどれくらい飲んでいるかわかりにくいですが、ミルクだと飲んだ量がしっかりわかります
月齢や体重に合わせて目安のミルクの量に足りているのか、普段より飲む量が少ないときは体調不良の始まりなのかなどに気がつきやすくなります。

いろいろなサイズやデザインのある哺乳瓶なのでお気に入りのものが見つかるといいですね。
どんな哺乳瓶を選んだらいいか悩んでいるパパ、ママは哺乳瓶選びのポイントをまとめたこちらの記事もおすすめです!

アレルギーに対応できる

生まれてすぐの赤ちゃんでもアレルギーを発症することがあります。
多くはミルクに含まれる牛乳由来のタンパク質が原因といわれていますが、母乳育児の赤ちゃんでも乳製品以外で症状が出てしまうこともあります。
ミルクにはアレルギー治療用のミルクがあり、母乳や一般的な粉ミルクが飲めない赤ちゃんでも安心して飲めるものがあります。
下痢や血便、嘔吐など気になる症状があったときは医療機関を受診して、お医者さんの指示のもとアレルギー治療用ミルクを使うようにしましょうね。

誰でも授乳できる

母乳はママにしかできませんが、ミルクはパパも活躍できます
ミルクを与える穏やかな時間、子どもの成長を噛みしめるためにもパパにも経験してほしいと思っているママも多いと思います。
夜間なども分担できるので、産後の身体をゆっくり休めることもできますね。

ミルクのデメリット

お金がかかる

離乳が完了する1歳頃までミルクを買い続けなくてはいけないので結構なコストがかかります。
ミルクを飲む量やメーカーにもよりますが、10万〜数10万円ほどかかる計算になります。
また消毒グッズや月齢に合わせて哺乳瓶の買い替えなども必要になってくるので、事前にどれくらいお金がかかりそうか見積もっておくと安心です。

調乳や消毒に手間がかかる

ミルクを調乳するには70℃以上のお湯で作る必要があり、熱いままだとやけどをしてしまうのでしっかり冷やしてあげなくてはなりません。
夜間の眠い時間や外出先、お腹がすいて大泣きしているときなどすぐにミルクを与えられず焦ってしまうかもしれません。
また使用した哺乳瓶は消毒して清潔に保つ必要があるため洗い物の手間も増えてしまいます。
ミルクの調乳については別で詳しくまとめているので気になる方は読んでみてくださいね。

まとめ

母乳でもミルクでも、どちらが正しいということはありません。
それぞれのいいところを最大限に活用していけばいいのです。

昔と今では子育て観も変わってきているので、両親や親戚のありがたいアドバイスにも不安になってしまうこともあるかもしれませんが、みんなが願っていることはただひとつ。
生まれてきてくれた赤ちゃんが健やかにすくすくと成長しますように。

パパ、ママがどんな選択をしてもいいんです。
一緒にゆっくり考えていきましょうね。

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