離乳食を進めるのはとても手探りで悩みもたくさんあると思います。
食べるのが大好きな赤ちゃんもいれば、まだまだ母乳・ミルクのほうがいい赤ちゃんもいて、なかなか教科書通りに進まないですよね。
今回はそんな個人差も大きい離乳食の“大前提”に立ち返ってみましょう。
離乳食を食べてくれない日があっても大丈夫!
まず大前提として大きな声でお伝えしたいのが離乳食を食べてくれない日があっても大丈夫!ということ。
もちろんたくさん食べてくれたり、食材の幅が広がっていくのは嬉しいことですし、赤ちゃんの成長も感じられます。
しかし赤ちゃんからしたら、食べ物を食べるという新しい文化はつい最近の出来事で、母乳・ミルクを飲んでいた期間のほうが長いのです。
離乳食を開始したからといって急に「食べるの大好き!!」にはならないと思って「そりゃあ新しいことしてるんだもんねー、気が向かない日もあるよねー!」とおおらかな気持ちでどっしり構えちゃってOK!
ただし離乳食も拒否、母乳・ミルクも飲まない…となると、栄養不足だけでなく体調不良や脱水なども心配になります。
赤ちゃんの脱水の主な症状として、おしっこ・うんちの回数が減る、皮膚が乾燥する、泣いても涙が出ないなどがあり、脱水が進むと目や大泉門(頭のてっぺんのペコペコの部分)がくぼんでしまうこともあります。
食べなくても飲めているかを気にかけて見るようにしましょう。
赤ちゃんが1日に必要なカロリーはどれくらい?
少し難しくなりますが赤ちゃんが1日に必要なカロリーを数字で見てみましょう。
参考にしたのは厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」(2010年版)です。
0−5か月:約539kcal/日
6−8か月:約620kcal/日
9−11か月:約680kcal/日
12−24か月:約917kcal/日
男女差は平均し、端数も四捨五入しているため、おおよその数字と思って見てくださいね。
これだけのカロリーをとれば、1日の身体活動に必要+大きくなるために必要な量が得られるということになります。
さて、この分け方だと離乳食の進め具合と照らし合わせるのが難しいので、さまざまな資料を参考にしたうえで改めて必要なカロリーを分け直してみました。
5−6か月(離乳食前期):約630kcal/日
7−8か月(離乳食中期):約650kcal/日
9−11か月(離乳食後期):約680kcal/日
12−18か月(離乳食完了期):約950kcal/日
なるほど…?(数字にしてみてもピンときませんね…)
それぞれの月齢でこれらのカロリーを母乳・ミルク+離乳食でとれればいいということになります。
離乳食から摂るエネルギーはどれくらい?
1日に必要なエネルギー量は分かりましたが、母乳・ミルクと離乳食の配分が気になりますね。
5−6か月(離乳食前期):約10%
7−8か月(離乳食中期):約30%
9−11か月(離乳食後期):約50-60%
12−18か月(離乳食完了期):約70−80%
………えっっっ????
と思ったパパ、ママが多いんじゃないかなと思います。
思ったより離乳食から摂る量は少なめ…?
逆に言うと、離乳食を始めても母乳・ミルクもしっかり飲む必要があるということにもなります。
離乳食の最大の目的は食べる楽しさを体験すること!
離乳食はその字の通り“乳から離れる”ものであり、赤ちゃんが母乳・ミルク以外のものを知り少しずつ慣れていく期間のことを指します。
さまざまな食べ物の味や舌触りだけでなく、乳首から飲むときとは違う口の動かし方も学ばなくてはいけません。
そして最終的に“食べさせてもらう”ことから“自分で食べる”ことができるようにならなくてはいけません。
食べることは生きること。
生涯にわたり食べることを続けていかなくてはいけない私たちの初めの一歩である離乳食は「食べるの楽しい!」と思えればOKなのです。
パパ、ママからごはんを食べさせてもらい、ぱくっと食べるとにこにこして褒めてもらえる。
そんな経験を赤ちゃんが繰り返し体験できればいいのです。
どの教科書やガイドラインにも必要なカロリーや大さじ●杯など量の目安は書いてありますが、必ずしも離乳食を完食することを勧めるものはなく赤ちゃんの食欲や成長発達に合わせるようにとされています。
つまり、イヤイヤな赤ちゃんに無理矢理食べさせなくていい!ということですね。
あまりにも食べてくれなくてパパ、ママもイライラしちゃって食べさせる楽しさなんてない!!となったら、少しの間だけ離乳食をお休みしてしまうのもいいと思います。
少食さんも目安の量まで摂れない…と落ち込むことがあるかもしれませんが、量をたくさん食べることより規則正しく同じ時間に食事を摂るとか、家族みんなで食卓を囲んで楽しい空間を共有するとか、“食べる楽しさ”が経験できていればOK!
乳幼児発育曲線を見てみよう!
とはいえ、離乳食や母乳・ミルクで必要な栄養量を摂れて成長しているのかは気になるところ。
そんなときは母子手帳にある乳幼児身体発育曲線を書いてみましょう。
曲線に沿って、同じ角度で増えていくグラフが書けたらOKです。
急激に大きくなっているグラフや角度が緩やかになってグラフの傾きが小さくなる、下向きのグラフになってしまうときには要注意。
グラフの曲線の形に乱れがあるときは食べる・飲む量が多すぎ・少なすぎ以外にも、体重が増えにくくなったり上手くエネルギーに変換しにくくなる病気などが背景に隠れている可能性があります。
必ずかかりつけのお医者さんに相談しましょう。
まとめ
離乳食はあくまで食べ方の練習のため、赤ちゃんが必要な栄養のほとんどは母乳・ミルクから摂っていると思って、食べても食べなくてもドンとかまえましょう!
パパ、ママがにこにこ離乳食を続けられ、赤ちゃんも少しずつ食べることに慣れていかれれば花丸です。
手間暇かけて作った離乳食を食べてもらえないと悲しい気持ちになりますが、そんなときは割り切って市販のベビーフードも活用してみて!
みんなが負担なくゆる〜く継続できる方法を探していきましょう。
困ったときには1人で悩みすぎず保育士さんやかかりつけのお医者さんなどに相談してみてくださいね!
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