赤ちゃんが生まれてから1歳になるまでの1年間で体重はおよそ3倍に増えます。
一生のうちに1番成長するこのタイミングに食べる離乳食には大切な役割があります。
今回はパパ、ママが悩むポイントでもある離乳食の始め方や進め方の基本をまとめました。
離乳食デビューを控えているパパ、ママ、必見です!
離乳食ってどうして必要なの?
そもそも離乳食とはなんでしょうか?
その字の通り、母乳やミルクなどの乳汁栄養を離れて幼児食へ移行する過程の食事のこと。
母乳やミルクは赤ちゃんにとって完全栄養食ともいえますが、成長とともに食事からの栄養も必要になってきます。
とはいえ、液体のみで栄養補給をしてきたため、口の動きが未発達な赤ちゃんは急に上手に食べることはできません。
そのため口の動きや赤ちゃんの成長や発達に合わせた食事を食べる練習をする必要があるのです。
また栄養補給だけではなく、食べる楽しみを育むのも離乳食の役割の1つ。
子どものペースに合わせて進めていくことが大切です。
離乳食はいつから始めたらいいの?
一般的には赤ちゃんが5か月頃になったら離乳食を始め、遅くとも6か月頃には始めるとされています。
ちょうどこの頃には赤ちゃんの消化器官がある程度発達し、吸啜反射(=口や唇に触れたものを強く吸う反射)が消失して食べ物を食べる身体の準備が整う時期です。
しかし早産の赤ちゃんや呼吸器や消化器に障がいがあって治療中の赤ちゃんはかかりつけのお医者さんとも相談しながらそれぞれのペースで始めましょうね。
赤ちゃんにこんなサインがみられたら離乳食を始めるタイミングです。
① 首がしっかりすわった
② よだれが増えた
③ パパ、ママが食べているところに興味を示してじっと見ている
④ 赤ちゃんも一緒にもぐもぐと口を動かしている
⑤ パパ、ママやクッションの支えがあれば座れる
⑥ おもちゃやスプーンを口に入れても舌で押し出さなくなる
⑦ 母乳、ミルクの間隔が一定になり生活リズムが整っている
どうやって進めていくの?
初めての離乳食は赤ちゃんの体調がよく、機嫌がいい日の午前中の授乳前に始めましょう。
最初は1日1回、慣れてきたら2回、3回と回数を増やしていきます。
始めて食べる食材は1種類ずつ、1さじにしておくと、万が一アレルギーを疑う症状があったときにどの食品か特定しやすいからです。
また始めての食材は平日の午前中に試しましょう。
こちらも万が一アレルギーを疑う症状があったときにすぐに病院を受診できるように。
母乳、ミルクと離乳食のバランスはどうしたらいい?
離乳食を始めたばかりの時期は液体以外のものを口に入れたり飲み込んだりする練習の段階のため、栄養のほとんどは母乳やミルクから摂っています。
離乳食は食べ物を食べるお楽しみタイム、いろいろな食材の味見タイムと捉えて母乳やミルクは赤ちゃんが飲みたいだけ飲んでOK。
お腹がすいているタイミングのほうが赤ちゃんもご機嫌に食べることができるため、午前の授乳時間の前に離乳食を試すのがおすすめ。
また赤ちゃんが離乳食や食事のリズムに慣れるためにも一度始めたらできるだけ同じ時間に揃えることが理想です。
離乳食が進んで形態があがり、食べ物から摂取できる栄養や食べる量が増えてきたら母乳やミルクの回数は減らしていきます。
そのときも基本的には離乳食+そのあとに母乳やミルクという流れは変わりません。
離乳食のあれこれQ&A

離乳食を早く始めすぎるとどうなるの?
3〜4か月で離乳食を始めてしまうと、小児期に過体重、肥満になる傾向があるという研究結果があります。
また消化機能の発達も追いつかず、消化不良や下痢を起こすリスクもあるので、食べたそうにしていても離乳食を早く始めるのはおすすめできません。



逆に離乳食をいつまでも始めないとどうなる?
食物アレルギーを起こさないために離乳食の開始を遅らせたほうがいいという意見もありましたが、近年は食物アレルギーに対する考え方が変わり、遅らせる必要はないといわれています。
むしろ遅くすることは有害であるともいわれています。
研究により特定の食べ物の摂取開始の時期を遅らせても、食物アレルギーの予防効果があるという科学的根拠はないので、目安の月齢がきたら少量ずつ食べていくことが大切です。



離乳食を始める前に果汁を飲ませてもいいの?
ひと昔前は離乳食を始める前に薄めた果汁や野菜スープを与えるよう推奨されていましたが現在は真逆の方針になり、赤ちゃんに果汁を与える必要はないです。
かつて(戦時中〜戦後まもなくまで)使われていた人工栄養にはビタミンCなどの栄養が不足していたため果汁で補給していましたが、現在の粉ミルクにはビタミンCを含む必要な栄養素が添加されているので果汁から摂る必要がなくなりました。
むしろ甘い果汁は血糖値が上昇して食欲が抑えられ母乳やミルクを飲む量が減ってしまったり、摂りすぎによる肥満や消化不良にも繋がるので離乳食が始まってからゆっくりトライしていけば大丈夫!



アレルギーが心配だから離乳食をあげたくないです…
以前は「アレルギーの原因になる食材の摂取開始の時期を遅らせて予防しましょう」と言われていましたが、研究の結果、食べ始める時期を遅らせても予防にならないとわかってきました。
パパ、ママやきょうだいに食物アレルギーがあると赤ちゃんにも多少アレルギーのリスクはありますが、実際に食べてみないとわかりませんし、事前にアレルギーの検査をするのは採血の痛みなどのデメリットのほうが多いのですすめられません。
離乳食は月齢に合わせたさまざまな食材を、平日の日中の病院があいている時間に進めていきましょう。
まとめ
離乳食は赤ちゃんの成長を感じる大きな出来事です。
だからこそいいスタートをきりたいと思うパパとママが多いと思います。
あまり気負いすぎず、親子で楽しい食事の時間となるようおおらかな気持ちで始めていきましょう。
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