厳しい暑さが和らぎ、朝晩は涼しく感じる日も増えてきました。過ごしやすくなってきて、夏の間は我慢していた公園やお散歩などの外遊びも楽しめるようになりましたね。
子どもにとっても運動会や遠足、ハロウィンなどの行事が次々とやってくる楽しみな季節ですね!
しっかり食べて、元気に秋を過ごしましょう!
いつもより少しボリューミーな内容になっているので、時間のないパパ、ママはさっと目次に目を通して後から読み返してもらうのがオススメです!
息抜き中のパパ、ママはじっくり読んで“秋の味覚ばっちりシェフ”を目指しましょう!
食欲の秋ってなーんだ?
“食欲の秋”とは四季のなかで最も食欲が増す季節であることを指す言葉です。
暦でいう9月〜11月ですね。…とはいえ9月はまだまだ暑くて秋と言うには早いような気もするけれど、スーパーにはたくさんのくだものが並び始めます。
秋になると稲(お米)やくだものが収穫の時期を迎えるため“実りの秋”なんても言いますね。
“食欲の秋”の言葉の起源は?
この“食欲の秋”という言葉の起源は唐の時代の中国。
「秋高馬肥ゆ」という言葉が日本へ伝わって、江戸時代から今でも“天高く馬肥ゆ(る秋)”ということわざとなって使われています。
夏の間は暑くて食欲が落ちていた人たちも涼しくなって食欲が戻ってきたり、夏バテした身体が少しずつ回復してきて食欲も元通りになってきます。
そのため、なんだか秋は食欲が増したように感じるのです。
いつの時代でも、人間もお馬さんも、秋の訪れを喜んでいた様子が浮かびますね。
食欲が増すのは幸せホルモンのせい?!
幸せホルモンとも言われるセロトニンには満腹中枢を刺激して食欲を抑える働きがあります。
そしてそのセロトニンの分泌量は日照時間に応じて変化します。
秋は夏に比べて日照時間が短くなるので、セロトニンの分泌量が減ってしまいます。そのため満腹を感じにくくなり、たくさん食べたくなってしまうのです。
人の身体はセロトニンが減ると、トリプトファンという栄養素が欲しくなります。このトリプトファンは体内で作ることができない必須アミノ酸なので、食べ物から摂る必要があります。
チーズやかつお、牛肉などに多く含まれているので、旬の食材と一緒にうまく献立に盛り込んで身体が欲しがる栄養も摂っていきましょう。
旬の食材には何がある?
夏にたくさん食べてきたトマトやきゅうりなどのみずみずしい夏野菜と比べて、秋が旬のお野菜は水分が少なく、味がこっくりと濃く、甘みが強いことが特徴です。
秋が旬のお魚は産卵前で脂がのっています。秋刀魚(さんま)など漢字で書くと“秋”がついたり、秋鮭(あきさけ)や秋鯖(あきさば)など“秋”の字がつく呼び名もあります。
旬の食材にはその時期特有の風味やたっぷりの栄養があるので、意識して選んでみましょう。
秋のくだもの
りんご
1年を通してスーパーに売られていますが、旬の時期は10月〜12月。
旬のりんごは、他の季節に比べて甘くてジューシーなことが特徴です。
すりおろしたりんごは離乳食を始めたばかりの子どもにもオススメの食材。アレルギーを起こしてしまう子どももいるので、初めて食べるときは病院が開いている平日の日中に食べるようにしましょうね。
そのまま食べてもおいしいりんごですが、ジャムやパイ、焼いたり煮たり…といろいろな調理ができるのも嬉しいところ。家族みんなで味わえちゃいます。
ただし生のりんごは硬くて詰まらせてしまうリスクもあるので加熱したり、しっかり噛める子どもでも小さく切るなどの工夫は必要です。
ぶどう
ぶどうも秋が旬ですが、品種によって少し時期は違っています。手頃に買える小粒のぶどうのデラウェアは7月下旬頃から旬を迎え、大粒の巨峰は8月から10月頃、皮ごと食べられる流行りのシャインマスカットは8月下旬から9月下旬頃が旬になります。
夏の終わりから長く楽しめるぶどうはこの旬の時期にしか食べられないので、いろんな種類を食べてみてお気に入りの品種を探してみましょう。
丸くてツルツルしているぶどうも誤飲に注意!小さく切ったり、ゆっくり食べるように声かけしましょう。
柿
柿の旬は9月から12月。古くから食べられてきたくだもので、“柿が赤くなれば医者が青くなる”ということわざがあるように柿には風邪をひきにくくするビタミンCが多く含まれています。
他にもカリウムや食物繊維などの栄養も多く含まれていますが、食べすぎると身体を冷やす可能性があるとも言われているため食べる量には気をつけましょう。
買ってきた柿が硬かったかな?と感じるときは常温で2日ほど置いておくと柔らかくなります。
逆に日持ちさせたいときは袋に入れて野菜室で保存しましょう。
柿は加熱するとトロっとするので離乳食にもオススメです。
お酢やチーズとの相性もいいので、パパ、ママは酢の物やサラダにして食べるのもよいでしょう。
梨
ジューシーで甘みの強い梨も秋が旬で、この時期にしか食べられないくだもの。
品種によって旬の時期は違ってきますが、おおよそ7月から11月頃。
おいしい梨の見分け方は、縦長ではなく横長のもの!水分を多く含んで横に張っているんだとか。
梨の皮の表面のザラザラは熟れていくにつれ減っていき、食べごろになるとツルツルになっています。いつ頃に食べたいかで選んでみましょう。
甘くないかも…?と思った梨は、しっかり冷やすことで甘みが増します!
その理由は梨に多く含まれている果糖は冷やすと糖度が増す成分だから。おやつや食後のデザートに冷たい梨はいかがでしょう?
栗
栗ってくだものなの?!と驚きませんか?
農林水産省では樹木になるものをくだものとしているので、栗もくだものに分類されます!
そんな栗の旬は9月から11月頃。焼き栗にしてほくほく食べるもよし、栗ごはんにするもよし、甘露煮やモンブランなど甘くして食べるもよし!
和風にも洋風にもアレンジできる栗には疲労回復に役立つビタミンB1やビタミンCが多く含まれているので、栗を食べて夏の疲れた身体を回復させましょう。
秋の野菜
かぼちゃ
かぼちゃの旬は9月から11月頃ですが、国産のかぼちゃは夏に収穫して数か月寝かせて甘みが増してから出荷されるので11月から12月頃に多く出回ります。
シンプルに煮物にしてもよし、コロッケや天ぷら、かぼちゃスープにしても甘くてオススメ。かぼちゃの甘みを活かしてプリンやパイなどのスイーツにするのもいいですね。
緑の皮は硬くて調理が大変ですが、中のオレンジの部分は加熱すると柔らかいため離乳食にもバッチリ!
甘いので赤ちゃんにも人気のお野菜です。
裏ごしやすり鉢ですり潰せば離乳前期食から、スティック状にしてつかみ食べの練習にも。いろいろなアレンジで旬のかぼちゃを楽しみましょう。
さつまいも
さつまいもの旬も9月から11月頃で、ほくほくで甘いさつまいもはかぼちゃと同じようにおかずにもスイーツにも向いているお野菜です。
さつまいもには食物繊維がたっぷり含まれていて、便秘の解消に役立ちます。食物繊維を多く含む旬のりんごと一緒に食べることでさらに整腸効果バツグン!
煮物やサラダにするのがオススメです。さつまいもごはんやレモン煮、お味噌汁、大学いもやスイートポテトなど子どもが好きなアレンジがいっぱいなので、いろんな形にして味わってみましょう。
れんこん
れんこんも年中スーパーで見かけますが、実は旬は9月から10月にかけて。
この時期のれんこんは甘みと粘りが強く、ビタミンCを多く含みます。その量なんとみかんの1.5倍!
シャキシャキの歯ごたえが魅力のれんこんは煮っころがしにして食べるもよし、子どもが食べやすいよう刻んでハンバーグやつくね、肉団子に混ぜ込むのもよいでしょう。
離乳食で使うこともできますが、繊維が多く硬いお野菜なので離乳後期食以降がオススメです。
すりおろしてトロミとして使ってみてくださいね。
ごぼう
ごぼうの旬は10月から12月頃。
ごぼうに多く含まれている食物繊維は水分をたくさん吸収して便を柔らかくして便通をよくしてくれます。
ごぼう独特の土臭さやえぐみ、茶色い見た目に苦手意識をもってしまう子どもも多いですが、油と馴染みがいいので揚げることでパリパリ食感になってお菓子のように食べれちゃうことも!
慣れてきたらきんぴらや豚汁などにしてごぼう本来の味を楽しんでみましょう。
繊維が多く硬いお野菜なので、しっかり奥歯が生えて噛む力がついてくる頃からがオススメですが、柔らかくなるまで煮込んだり、茹でた後にすりおろしたりすれば離乳食に使うこともできます。栄養たっぷりの旬の季節に上手に取り入れてみましょう!
きのこ
お野菜とは違いますが、きのこ類も秋の味覚です。
高級食材のまつたけの旬は8月から11月頃。旬だからといって気軽に食べられるようなものではありませんが、強い香りや歯ごたえなどこの季節にしか味わえないおいしさがありますね。
よく見かけるしめじも実は秋が旬。
ただし年中スーパーで見かけるのは“ぶなしめじ”という品種でとくに旬はなく、“本しめじ”という天然のしめじの旬が9月から11月頃。
しいたけやなめこなども秋に旬を迎えますが、きのこ類は噛みきれなくて苦手だという子どもも多いです。
小さく刻むなど安全においしく食べられる工夫をしてみましょう。
秋の魚
さんま
代表的な秋のお魚、さんまの旬は9月から10月頃。
春から夏にかけて栄養を蓄え、産卵や移動のために南下してきたさんまは脂がのっているのでシンプルに塩焼きにするのがよいでしょう。
大根おろしやレモン、ポン酢などを合わせるとさっぱりとして食べやすくなりますね。
小骨が多いので赤ちゃんにあげるのは離乳後期食以降にして、下ごしらえをしっかりしたり、細かくほぐしてあげるなど注意が必要です。
さんまはまれにアレルギーを起こしてしまうこともあるので、初めて食べるときは病院の開いている日中に試しましょう。
鮭
食卓にもよく並ぶ鮭の旬は9月から11月にかけて。
秋に獲れる鮭は“秋鮭”と呼ばれていて、産卵前のため身が引き締まっていて脂も少なめ。バター焼きやフライなどとの相性がよいです。
余談ですが鮭は赤身魚かと思いきや実は白身魚。
しかし他の白身魚に比べると脂が多いので、離乳食であげるなら淡白な白身魚に慣れた離乳後期食以降がおすすめ。
お刺身用のサーモンは骨がなく便利そうですが脂がのりすぎているので、少し手間でも生鮭を選びましょう。
鮭は加熱すると少し硬くなるので、しっかりほぐしてトロミをつけたり、お粥にまぜたりして飲み込みやすい形態にしましょうね。
かつお
かつおには旬が2回あり、“初鰹”と呼ばれる3月から5月頃と、“戻り鰹”と呼ばれる9月から11月頃です。
戻り鰹は脂がのっているのでパパ、ママはお刺身で食べるのがオススメです。
赤身魚のかつおは離乳中期食から取り入れられますし、かつおだしなら離乳前期食でもOK!
またムニエルや竜田揚げなどは手づかみ食べの練習にもなるので、たんぱく質やDHA、EPAなどの健康によい不飽和脂肪酸がたくさん含まれているかつおを積極的に取り入れてみましょう。
まとめ
秋はくだものや根菜類、お魚などおいしい食べ物がたくさんありましたね!
一緒にスーパーへ買い物へ行って実際に売り場を回りながら「秋に食べると栄養があって、いつもよりおいしいよ。」と伝えることで、食について関心をもてたり苦手なものにも挑戦してみようという気持ちになるかもしれません。
またハロウィンのお菓子作りなどを通して食材に触れることで、食に対する知識や経験を積むことができます。家族みんなで旬のものを食べて、おいしく楽しく毎日を過ごしましょう!