春休みにはいり、お家で過ごす時間が増える季節になりました。
せっかくの休みにはいつもと違う特別な遊びをしたいと思うでしょう。
ところでアクアビーズ®︎を知っていますか?
図面通りにビーズを並べて水を吹きかけるだけで完成する簡単な製作ですが、思わぬ事故が潜んでいるので要注意です。
耳にビーズを入れてしまった事例
日本小児科学会では日常の診療でみられた重症度の高い怪我や事故の情報が公開されています。
今回は耳にビーズを入れてしまった事例をみていきましょう。
年齢:4歳8か月
性別:男の子
場所:自宅のリビング
時間:土曜日、夜
状況:男の子がリビングでビーズ遊びをしていて、母は別の部屋で家事をしていた。男の子から「ビーズを耳に入れた」と言われ母が耳を見てみたがビーズは見つけられず、病院を受診した。
経過:救急外来を受診し、耳鼻科の医師によりビーズは確認できたが奥に詰まって痛みがあったため鎮静をかけて5mm大のビーズを摘出した。ビーズには粘着性があって鼓膜にくっつき、鼓膜に穴があいた。経過観察のため1泊入院したのち退院、耳鼻科外来に通院し2か月後に鼓膜の穴も閉じた。聴力の低下はなかった。
(日本小児科学会雑誌2022年11月号掲載 日本小児科学会こどもの生活環境改善委員会 傷害注意速報より抜粋)
今回の事故の原因になったのは水で濡らすとくっついて形ができるビーズのおもちゃ。
株式会社エポック社の“アクアビーズ”やオンラインなどで購入できる“ミラクルビーズ”、DAISOでは“水でくっつくビーズ”として販売されていますね。
水でくっつく不思議はビーズの主成分であるポリビニルアルコール(PVA)が水溶性の合成樹脂で、水と結びつきやすい性質のため。
身近なものだと洗濯のりや切手の裏側などに使われています。
…うんうん、たしかに。切手は濡らすとくっつくのでポリビニルアルコール製ビーズと一緒の仕組みなことがわかります。
今回の事例のようにポリビニルアルコール製ビーズを耳や鼻に入れてしまった類似事例が何件も報告されていて、発売元の株式会社エポック社からも重要なお知らせとして注意喚起が出されています。
類似事例として鼻の穴にビーズを入れてしまった事例が傷害速報に掲載されているため、気になる方は目を通してみてくださいね。
ビーズで安全に楽しく遊ぶためにはどうしたらよいでしょうか?
一緒に考えてみましょう。
耳や口に入れない!
大前提ですが本来の遊び方以外の使用はやめましょう。
耳にモノを詰めてしまうことを“外耳道異物”といいますが、子どもの外耳道異物ではビーズが多いです。
他にもBB弾や小石、豆、植物の種なども原因になることが多いので要注意!
とくにこのポリビニルアルコール製のビーズは濡れるとくっつく性質があるので耳や口の粘膜にくっついてしまい、他の異物より取り出しにくく、今回の事例のように鼓膜に穴があいてしまうこともあります。
絶対に耳や口にいれないようにしましょう!
対象年齢に気をつける
アクアビーズ、ミラクルビーズ、水でくっつくビーズのいずれもが対象年齢6歳以上と表示されています。
「耳に入れない」「口に入れない」といったパパ、ママとの約束が守ることができる年齢以上の子どもが対象になっています。
ただし同様の事故で8歳の男の子の事例もありますので、6歳以上なら確実に安全であるとは言いきれません。
子どもの好奇心は旺盛であり、パパ、ママと約束していても「ちょっと気になる…」と、大人が思いもよらないいたずらをしてしまいます。
そのため対象年齢以上であっても安全に遊べるかどうかは子どものことを1番よく理解しているパパ、ママが判断しましょう。
妹や弟がいるご家庭はより注意が必要です。
安全に遊べる年齢の子どもであっても、うっかり床に落としてしまったり、悪気なく親切心でビーズを貸してしまうこともあるでしょう。
パパ、ママと一緒にしっかり片づけをしたり、別室で遊んだり、妹や弟がお昼寝している間に遊んだりとお互いが嫌な気持ちにならないよう工夫しましょう。
耳に入れたとわかったらすぐに病院を受診する
耳にビーズを入れる瞬間を見た、子どもから自己申告があったときはパパ、ママが無理にとろうとせずに病院を受診しましょう。
自分たちでビーズをとろうとすると、かえって奥に押し込んでしまったり耳の中を傷つけてしまう危険があります。
受診するときは遊んでいたビーズをいくつか持っていき、お医者さんに見せるようにしましょう。
病院を受診するまで水が耳に入らないようにする
ポリビニルアルコール製ビーズは水でくっつく性質があるため、万が一耳に入れてしまったことがわかったら病院を受診するまではお風呂やシャワーは控えましょう。
受診したときは最初の問診で水でくっつくビーズを耳に入れた可能性があることを必ず伝えましょう。
飲み込んでしまったらどうしたらいい?
ポリビニルアルコールは錠剤のコーティングや切手の裏など身近なものにも使用されているため、急性毒性や発がん性など人体への有害性は極めて低いとされています。
万が一ビーズを飲み込んでしまってもビーズは溶けてうんちに混ざって排泄されるので経過観察を続けましょう。
もし何か気になる様子や異常がみられたときはすぐに病院を受診するようにしてください。
これからの季節に注意!たんぽぽの綿毛!
子どもの頃に「たんぽぽの綿毛が耳に入ると耳が聞こえなくなるよ!」と言われたことはありませんでしたか?
実際にはこの話は迷信であるとされていて、綿毛に聴力を奪う力はないとされています。
そのため綿毛を見つけて「ふぅ〜」と飛ばすのは何の問題もなく、春らしい季節の遊びとして楽しめます。
しかし気をつけたい点もあります。
パパ、ママやお友だちに見せたくて、相手の近く、とくに耳に向かって吹きつけて綿毛が耳に入ってしまったら…?
耳の穴は小さいし産毛や入り組んだ形をしているので、耳の奥まで到達するのはめったにないことですが、全くないとも言いきれません。
というのも過去に中国から報告された事例で、1歳の女の子の耳の中に異物があることに気がつき病院を受診したところ、たんぽぽが耳の中で発芽して2cmほど成長していたそう。
現地の医療スタッフらもこのようなケースは初めてで驚いたそうですが、たんぽぽはとても強く砂漠でも発芽できる植物のため、温かく湿っている耳の中で発芽するのはありえなくない話だったようです。
なかなか稀なケースではありますが、このような事故を知っていれば安全な遊び方として見守れるのか、注意した方がいい遊び方なのかがわかりますね。
まとめ
手軽に遊べるビーズは雨の日やお友だちが遊びに来たときなどにも便利なおもちゃです。
楽しい春休みを悲しい思い出にしないために、安全に気をつけて遊ぶようにしましょう。
ビーズ以外にも丸くて小さいものは耳や口に入れたくなってしまうもの。
暖かくなってお散歩にも行きやすくなり、ポカポカしているとなんとなく浮き足だってしまうのは大人も子どもも同じです。
小石や種など自然に触れる機会は大切にしつつ、パパ、ママはしっかり子どもの行動を見守りましょうね。
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