食物アレルギーがあると毎日のお買い物や外食など細心の注意を払いますよね。
「この食品は安心!」といつも同じ商品にお世話になることも多いと思いますが、リニューアルした商品には要注意!
今回は今まで含まれていなかったアレルギー食材が、商品リニューアルに伴い含有されていてアレルギー症状が出てしまった事例を見ていきましょう。
ハムを食べてアナフィラキシーショックを起こした事例
同じような事故を未然に防ぐためにも、アレルギーっ子のパパ、ママには特に知っておいてほしい事例です。
年齢:11歳11か月
性別:女の子
場所:自宅
時間:12:35頃
状況:卵アレルギーがあり卵の完全除去をしていた。卵が含まれていないと明記されていたハムを今までも購入していて、同じハムを使って母親が作ったサンドイッチを食べた5分後に唇の違和感を感じた。母親がハムの包装容器を確認すると製造工程がリニューアルされ、原材料に卵白が含まれていた。卵アレルギーを疑い病院を受診、唇の腫れや膨疹(蕁麻疹)、腹痛などがみられた後に嘔吐、顔面蒼白、血圧の低下などがありアナフィラキシーショックを起こした。入院治療をして3日後に退院した。
(日本小児科学会雑誌2022年3月号掲載 日本小児科学会こどもの生活環境改善委員会 傷害注意速報より抜粋)
食物アレルギーがあると分かっていてもうっかりその食材を口にしてしまうことはあります。
調理中に間違えて混ぜてしまった、子どもが間違って食べてしまった、アレルギー表示の確認をし忘れた・見落とした…などの原因がありますが、アレルギー表示そのものが間違っていたという事例も少なくありません。
今回はアレルギー表示はされていましたが、リニューアルに伴った原材料の変更があったにも関わらず表示が目立たなかったため見落としてしまったのが原因の事例でした。
アレルギーはどんな症状が出る?
そもそも食物アレルギーではどのような症状が出るのでしょうか?

食物アレルギーは摂取から数時間以内に表にあるような皮膚症状や呼吸器症状、粘膜症状などの症状が現れます。
何らかのアレルゲンが体内に侵入し、複数の臓器に急速に強い症状が現れる状態がアナフィラキシーといい、それにより血圧の低下や意識障害も伴う場合をアナフィラキシーショックといい生命に関わる重篤な状態です。
事故を防ぐには“よく見ること”が大切
今回の事例では大きく2つの原因があります。
① 購入するときによく確認しなかった
過去によく確認して“安心できる食材”として繰り返し購入している商品だと、毎回毎回よく見て確認をしなくなってしまうと思います。
しかし今回の事例のようにいつの間にか商品がリニューアルされていて、使われる食材が変更になっていることもなくはありません。
面倒かもしれませんが、お買い物のときは食品表示をしっかり確認することで安心できる食材を選べるでしょう。
② 食品会社はもっと目立つように表示する
今回の事例のハムにはしっかり食品表示はされていました。
もちろん卵白の表示もありました。
しかしリニューアルして販売継続していたにも関わらず、卵が追加されたという変更点は他の表示と同じ黒字で、字の大きさも他と同じ小さなサイズで目立たないものでした。
これは消費者である私たちにどうこうできる問題ではありませんが…食品を扱う会社さん、メーカーさんは食品表示を大きく目立つようにしていただきたいです!
まだ明確な規則はなく任意での取り組みですが、表示の字の色や大きさ、強調させるデザインにするなどの対策を消費者庁は推奨しています。
現時点では“注意深く見る”ことしかできる対策はありませんが、今後もっと分かりやすく安全な食品表示になることを期待しています。
まとめ
うっかりやってしまいそうな確認不足…これはアレルギーっ子だけではなく、パパ、ママ自身がアレルギー持ちさんの場合も危険と隣り合わせになってしまいます。
今はしっかり確認するしか対応策はありませんが、この事例を知ってるか?知らないか?が安全を守る大きなカギになります。
食事を作ってくれるじーじ、ばーばや周りのお友だちにも注意喚起することで“うっかり事故”を減らすことができるので、ぜひこの記事を活用してくださいね!
コメント