フッ素入りの歯磨き粉をうっかり食べちゃって中毒に?!どうしたらいいの?

Massive ingestion of fluoride toothpaste

子ども用の歯磨き粉はいい香りがついていて、苦手な歯磨きもがんばれちゃう!なんてことはよくあります。
しかし歯磨き粉は食べ物ではないので、うっかりたくさん食べてしまうのはNG!
日本小児科学会に寄せられた実際の事故事例から、対策を考えましょう。

子ども用のフッ素入り歯磨き粉を誤食した事例

きょうだいさんのいるお家では、似たような状況が起こりやすいのでとくに知っていてほしい事例です。

年齢:1歳5か月
性別:男の子
場所:自宅
時間:17:30頃
状況:男の子のお兄ちゃん(2)が歯磨きをして、高さ80cm程度の洗面台に歯磨き粉を置いていた。1時間後に男の子は3回の嘔吐があり、吐物の中には歯磨き粉のようなものも混ざっていた。お兄ちゃんの歯磨き粉が減っていたことから誤食を疑って外来受診をした。
フッ素中毒を疑い血液検査や画像検査、点滴をするために入院、明らかな合併症などはなく食事や水分が摂れることを確認して2日後に退院した。
(日本小児科学会雑誌2022年7月号掲載 日本小児科学会こどもの生活環境改善委員会 傷害注意速報より抜粋)

普段は洗面所の高いところに片付けてあったという歯磨き粉。
パパ、ママが見ていない隙に椅子に乗って歯磨き粉を取ってしまい、いい匂いにつられて食べてしまったのではないか?とされています。
歯磨き粉の残量から、うっかり食べてしまったのは30g程度。
もちろんこの男の子は普段は歯磨き粉を使っていなかったことから、物珍しさや未知の甘い味に惹かれて悪気なく誤食したものと考えられています。

そもそもよく聞く“フッ素”ってなに?

歯磨き粉や歯医者さんなどでよく聞く“フッ素”ですが、そもそもどんなものなのでしょうか?
フッ素は自然界(海水、野菜、肉、魚、人体など)に広く存在するミネラルの一種で、歯のエナメル質を酸に強い性質に強化し、初期の虫歯を治す効果があります。
歯磨き粉やマウスウォッシュなどに含まれていて、適量であれば副作用の心配は少なく、とくに虫歯のリスクが高い子どもには有効とされている元素です。

しかし一度に大量のフッ素(フッ化物)を摂取してしまうと急性毒性(=中毒)が発現する可能性があり、今回のような嘔吐、嘔気、下痢、不整脈、最悪の場合死に至ることもあります。
市販されている歯磨き粉に含まれているフッ素量は少量のため、一般的な使い方をすれば中毒は起こさないよう開発されていて、医薬部外品として厚生労働省の承認も受けて販売されています。

どんな対策ができる?

今回の症状は男の子の体重と中毒を起こすフッ素の量に関連しています。
本来は安全なはずの歯磨き粉ですが、もちろん食べ物ではないのでたくさん食べることは想定されていないため中毒症状として嘔吐が出現してしまいました。
お家の中では「あるある」なシチュエーションなので、同じような事故を起こさないためにも何かできる対策はないのでしょうか?

小さい子どもの手の届かないところに片付ける

この事例のお家でも同様の対策はしていましたが、一瞬の隙を点かれてしまいました。
忙しい毎日のなか全ての動作に付き合いきれないこともあるかと思いますが、使うときだけ出す・使ったらすぐしまうを意識しましょう。

自分で使うのはぶくぶくうがいができるようになってから

パパ、ママの管理のもとで小さいうちから使用するのは虫歯予防の観点でも有効ですが、自分で歯磨き粉をつけるのは歯磨き粉をごくんと飲み込まないで吐き出す、ぶくぶくうがいができるようになってからのほうが安全です。
もちろん自分の身の回りのことは自分でやりたい子どもの自立心も大切にしたいため、パパ、ママの目の前で、つけすぎていないかをチェックしたうえでやってもらいましょう。

子どもにつけすぎの危険性を教える

口に入れるものだから安全!と思わず、まずはパパ、ママが歯磨き粉をたくさん飲み込んでしまうことの危険性を知りましょう。
そして子どもにも繰り返し伝えるようにしましょう。
年齢によっては理解できないこともありますし、わかっていても甘いおやつ感覚でチューチュー吸って「おかわり!」と“追い歯磨き粉”をしてしまう子どもも少なくありません。
安全に使用できるよう、子どもの理解や発達に合わせた管理を考えましょう。

もしうっかり誤食してしまったら?!

どんなに気をつけていても、うっかりが起こってしまうこともあります。
万が一、歯磨き粉を誤食してしまったらどうすればいいでしょうか?

少量を飲み込んだ

通常の使用量(米粒〜グリーンピース大)を飲み込んでしまっても身体に大きな影響はなく、いずれ尿に混ざって排泄されます。
もし通常よりやや多く飲み込んでしまった可能性があるときは口をゆすいで残っている歯磨き粉を洗い流し、牛乳やアイスクリームなどカルシウムを多く含む食べ物を摂りましょう。
カルシウムはフッ素と結合して吸収を抑える力があります。
何か気になる症状があるときは受診しましょう。

大量に飲み込んだ

今回の事例のように大量の歯磨き粉を飲み込んだ可能性があるとき、嘔気や嘔吐、下痢などの症状が出たときには歯磨き粉を持って速やかに受診するようにしましょう。
受診するか迷うときは“中毒110番”に相談したり、”#8000”の小児救急電話相談に連絡して指示を仰ぎましょう。

まとめ

適切に使用すればフッ素入り歯磨き粉は怖いものではありません。
まずはパパ、ママがこんな事故があったということを知り、安全なお家の環境を整えていきましょう。

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