粉ミルクを70℃以下で作っちゃったらどうなる?

What to do when powdered milk is made at temperatures below 70°C.

“粉ミルクは70℃以上のお湯で調乳しましょう”といわれていますが、知らなかったり、うっかりぬるい温度で調乳してしまい「やらかした?!」と焦った経験があるパパ、ママがいるかもしれません。
今まさに焦った状況で慌てて調べて、ここにたどり着いたパパ、ママは、落ち着いて!
今すぐどうにかなってしまうことはないので、落ち着いて最後まで読み進めてくださいね。

そもそもなぜ70℃以上のお湯なの?

なぜ70℃以上のお湯で調乳しなくてはいけないのでしょうか?
実は粉ミルクの中には製造途中に入り込んでしまう“サカザキ菌”やミルクを作る人の手にくっついていた“サルモネラ菌”などの細菌が潜んでいることがあります。
これらの細菌を殺菌するために70℃以上の熱いお湯で調乳する必要があるんですね。
詳しくはこちらの記事にまとめているので、時間のある方は目を通して見てください。

どんな病気を引き起こす?

サカザキ菌やサルモネラ菌はどんな病気や症状がでるのでしょうか?

サカザキ菌

2004年2月にFAO/WHO専門家会合で育児用調製粉乳(粉ミルク)の中のサカザキ菌についてまとめられた資料があります。
その資料によるとサカザキ菌は髄膜炎や腸炎の発生に関係しているとされています。
1才未満の乳幼児において、サカザキ菌による感染症は10万人に1人の発生頻度とされ、感染した乳幼児の20~50%が死亡したという事例の報告もあるようです。
重篤な髄膜炎や脳炎が併発した場合には、長期にわたる神経障害が発現する可能性があるともいわれています。
つまり発生頻度は低いですが、発症してしまうと生命の危機や重篤な経過をたどることが多いということです。
厚生労働省の乳児用調製粉乳の安全な調乳、保存及び取扱いに関するガイドラインでも70℃以上のお湯で調乳することでサカザキ菌の感染リスクを大幅に減少させることができる、と結論をだしています。

赤ちゃんの髄膜炎の初期症状として、発熱、嘔吐、機嫌不良、哺乳不良、頭痛(頭を触ると嫌がる、仰向けで寝るのを嫌がる)、首の後ろやうなじの硬直、大泉門の腫れなどがみられます。
症状が進行すると意識障害やけいれんなどを起こすこともあります。

サルモネラ菌

サルモネラ菌は聞いたことがあると思いますが、食品を介して発症するもので下痢や激しい腹痛、嘔吐、発熱などの症状がみられます。
大人も子どもも発症する可能性があり毎年10人に1人くらいが感染しているといわれていますが、乳児はとくに重症化しやすいとされています。
低出生体重児や新生児、免疫障害などがある赤ちゃんはとくに重症化や死亡のリスクがあがるとされています。
サルモネラ菌も熱に弱い菌のため、70℃以上のお湯で調乳すると感染のリスクを減少させることができます。

対処法はあるの?!

少し怖い情報を並べてしまいましたが、もし飲ませちゃった後はどうしたらいいのでしょうか?

こまめに体調チェックをする

「やってしまった!」と焦る気持ちはわかりますが、すぐに何か対処することはできません。
万が一あとから怪しい症状がでてこないか、数日間はこまめに体調チェックを継続しましょう。
何も症状がでていない時点で慌てて受診する必要はありません
サカザキ菌もサルモネラ菌も、必ず存在しているわけではないし、発症するわけではないですからね。

どれくらい気をつけていたらいい?

サカザキ菌の潜伏期間は数日、サルモネラ菌は8〜48時間ほどといわれています。
そのため数日間はとくに注意して赤ちゃんの体調や様子がおかしくないか観察が必要になります。

まとめ

知ってしまうと少し怖い情報もありましたが、赤ちゃんを守るためには学ぶべき情報でしたね。
このような安全な調乳やミルクに関する情報はパパ、ママや私たち保育士だけではなく、赤ちゃんの育児に携わる全ての人に必要です。
子育てを手伝ってくれる周りの人へも改めて調乳の仕方を共有して、安心・安全なミルクを赤ちゃんにあげるようにしましょうね。

ふぁみりあんではできるだけ正確な情報を、信頼できる根拠と一緒に、完結に、わかりやすくまとめるよう工夫しています。
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