冬になると暖かいコートやパーカーを着る機会がありますね。
フードがあると顔周りや耳の防寒にもなって便利なのですが、公園やショッピングセンターなどにある遊戯施設に遊びに行くときにはちょっと待って!
かわいい洋服で悲しい事故が起こらないよう、洋服選びの参考にしてみてください。
フード付きパーカーが引っかかった事例
日本小児科学会では日常の診療でみられた重症度の高い怪我や事故の情報が公開されています。
今回はフード付きパーカーがドアノブに引っかかって首が絞まってしまった事例をみていきましょう。
年齢:4歳9か月
性別:女の子
場所:自宅の玄関
時間:日曜日、お昼過ぎ
状況:居間に父と兄、キッチンに母がいた。女の子が1人で玄関の外に出た物音に気づいたが、家族はその姿を誰も確認していない。約10分後に母が女の子を探しに行ったところ、女の子が着ていたパーカーのフードが玄関のドアの取手に引っかかった状態でドアが閉まっていた。女の子の泣き声が聞こえ、母がパーカーを脱がせて救助。救助された女の子は意識の消失はなく、咳をしたが唇の色は黒く、病院を受診した。
経過:目の周りにうっ血した痕、首の前側に皮下出血があった。経過観察のため1泊入院、異常がなかったため翌日に退院した。
(日本小児科学会雑誌2012年6月号掲載 日本小児科学会こどもの生活環境改善委員会 傷害注意速報より抜粋)
子どもが着ていた洋服のフードが何かに引っかかることによる縊頸(=首が絞まってしまうこと)は何年も前から繰り返されています。
「フード付きの洋服を着ているときは気をつけましょうね!」という注意喚起だけでは防げない事故であるため、そもそも子ども服を作っている各社さんで安全とは何なのか?を考えてデザインしてほしいところですが、それは子育てをしている消費者の私たちに言われたところですぐに解決しない問題なので、自分たちでできる対策を考えていきましょう!
外遊びにフード付きの洋服は厳禁!
先ほど紹介した事例はお家の玄関のドアでしたが、公園のすべりだいやジャングルジムでも似たような状況が起こると予想できます。
フード付きの洋服は着てこないようルールがある保育園や幼稚園も多いのではないでしょうか?
それはこのようにフードで子どもの首が絞まってしまう事故を防ぐためなんです。
フード付きの洋服の全てが悪いと言っているわけではないんです。
暖かだし風が吹いても帽子が飛ばされる心配もないのでとっても便利なんです。
ただどんな時に着るかはパパ、ママがしっかり判断してあげたいですね。
たとえば映画を見に行くとか、おじいちゃんとおばあちゃんに会いに行くとか、そのようなときには選んであげられます。
(ただ紹介した事例もお家の中で起こっている事故なので、外遊びじゃないからと安心はできないのですが…)
フードだけじゃない!紐には気をつけて!
子どもが遊んでいるなかで予測のできない事故は残念ながら起こってしまいます。
できるだけ事故のないように防げるものは事前に防いでいきたいです。
首から家の鍵やキッズ携帯、水筒、防犯ブザー、パスケースなどをかけたまま遊んでいる子どもを見かけることがあります。
これもパーカーのフードと同じでいつ、どこに引っかかってしまって、首が絞まってしまうか分かりません。
遊ぶときは首にかけているものや背負っている持ち物は全て外すように子どもにも伝えましょう。
実際に類似事例として傷害速報に報告があげられています。
こちらは首にかけていた水筒がすべりだいに引っかかってしまった事例。
他にも、何も身につけていなくても遊具そのものに首が引っかかってしまった事例もあります。
興味がある方は目を通してみてくださいね。
また首が絞まってしまう以外にも怪我をするリスクはたくさんあって、首から水筒を下げたまま転んで膵損傷になった事例も紹介しました。
まとめてありますので詳しくはこちらをご覧ください。
まとめ
子どもが着る洋服や遊具、建物のデザインなど、もっと子どもの安全に寄り添ったものになることに期待していますが、残念ながら今すぐに変わることはないのが現実です。
さまざまな事故の報告書やガイドラインも出されているので、いつかはより安全な未来がくることを信じています。
それまではパパ、ママが子どもの安全を考えながら、のびのびと子育てしていかれるように情報の発信をしていきたいと思います!
もちろん子ども自身でも自分の身の安全が守ることができるよう、ぜひあなたのお子さんの分かる言葉で伝えてあげてくださいね。
寒い冬を暖かく、安全に乗り越えていきましょう!
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