距離感が近い子どもの対応はどうしたらいい?

How to deal with people who are close to you.

身近に距離感が近いなぁと感じる人いませんか?
どうして近づきすぎてしまうの?もしかすると子どもからの静かなヘルプサインかも。
原因と対応をまとめてみました。

パーソナルスペースって?

パーソナルスペースとは他人に侵入されると不快に感じる心理的な領域のことです。
パーソナルエリア、対人距離、個体距離ともいいます。
パーソナルスペースは個人差があり、また近づいてくる相手との関係性によっても変わってきます。

距離感が近くなる原因は?

距離感が近くなってしまうのにはいくつかの課題があります。
子どもの行動だけではなく背景も考えてみましょう。

発達に課題がある

発達に凸凹があり相手の表情やボディランゲージを読みとるのが苦手な子どもがいます。
近づきすぎて相手が不快に感じていることに気がつけていないため、子ども自身も悪気がありません。
友だちとの関係がうまくいかず二次障害に繋がってしまうこともあるので、早めに気がついて対応してあげたいです。

愛着形成に課題がある

小さい頃からの不適切な養育環境(ネグレクトなどの虐待)により養育者と適切な愛着関係を築くことができないと大きくなってからもスキンシップを求めてしまうことがあります。
女の子はとくに特定の人に近づきすぎてしまった結果、性被害などのトラブルに巻き込まれることもあるので注意が必要です。

距離感をとりすぎてしまうケースもある

距離が近すぎるのも問題ですが、逆に距離をとりすぎてしまう子どももいます。
感覚過敏があり人から触られること自体に苦手や不安があったり、過去に経験した嫌な出来事を思い出して人に近づこうとしなくなることもあります。
友だちとの適切な関わり方や声をかけるきっかけをつくるのが苦手で遠くから見ているだけになってしまう子どももいるので、それぞれの課題や癖に合わせた支援を考えていく必要があります。

どんなトラブルに発展する?

適切な距離感がわからないとどんなトラブルに発展してしまうのでしょうか?

交友関係のトラブル

小さい頃はお互いにぎゅーと抱きしめ合ったりくっつき合うことで相手との関係を築いていきましたが、成長するにつれ情緒的な繋がりで交友関係を広げていきます。
ぶつかったとか、近くて嫌だと感じた周囲の友だちが離れていってしまうトラブルが起こります。

異性関係のトラブル

小さい頃は「人懐っこい」とかわいがられていても、成長すると性犯罪など取り返しのつかないトラブルに発展してしまうことも。
加害者にも被害者にもなってしまう可能性があるので、子どものうちから自分を大切にするためにも適切な距離感を身につけたいです。

どうやって教えたらいい?

「ちょっと近すぎだよ。」と伝えるだけでは、どこまでが近づいてもOKで、どこからが近づきすぎなのか子どもも困ってしまいます。
わかりやすく伝えるポイントをあげてみました。

まず共感を伝える

最初からダメダメだと子どもは傷ついてしまうし、そのあとの話も聞いてもらいにくくなるもの。
まずは「くっついていたいんだね。」「抱っこしてほしいんだね。」と子どもの近くにいたい気持ちに寄り添いましょう

距離感を具体的に伝える

「“ちょっと”離れて」など曖昧な表現は避け具体的な距離を伝えてあげましょう。
“大きく前ならえしてぶつからないくらい”だと子どもも実際に手を伸ばしてその場で確認することができます。
小学校など机がある環境であれば“机を1つ挟んだくらい”だとわかりやすいですね。

見て分かる工夫をする

子どもが見て分かるように視覚的なサポートを活用する方法です。
パパ、ママと話すときに目印になる立ち位置のシールを床に貼って、そこから話す練習を重ねていくとおしゃべりのときの距離感をつかむことができます。
人との適切な距離感をイラストで示したヒントカードを掲示しておくと「あっ!」と思い出せるきっかけにもなりますよ。

具体的な場面を想定して練習する

人との距離感は相手との関係性や場面によって変化していきます。
“友だちが転んじゃったときは?”、“近所のおじさんに挨拶するときは?”など生活のさまざまな場面を子どもと一緒に考えてみましょう。
つい距離をとることばかりに目が向きがちですが「パパ、ママ大好きだよ!」と心を許した相手と場面であればくっついて大好きを伝えることも大切だと教えてあげましょうね。

鏡を見てみる

子どもが自分のことを客観視できるのは10歳くらいになってから。
また発達に凸凹があると想像してみることが苦手な子どももいます。
そのため距離が近いなぁと感じたときは、鏡の前で実際に自分たちの姿を見せてあげるとわかりやすくなります。

正直に話してみる

子ども自身に自覚がないことがほとんどなので、相手がどう思ったかを正直に伝えてみましょう。
「あなたは仲よしなお友だちとくっつきたいと思っているけど、相手はどうかな?顔が見える場所でお話しても仲よしの気持ちは伝わるよ。」などですね。
近づくことで無意識に好意を伝えようとしているのかもしれませんが、物理的な距離と好意は比例しないことを教えてあげましょう。

まとめ

もうすぐ新入学、新入園、進級の季節。
新しい出会いがたくさん待っているでしょう。
お互いが気持ちよく仲よく過ごすことができるような距離感を身につけていきたいですね。

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