子育ては時代によって変化していきます。
夏を目前に暑くなってくると気になるこんな問題、赤ちゃんの日光浴、外気浴の子育て今と昔を比べてみました。
昔は“日光浴”、今は“外気浴”
かつての母子手帳には日光浴は「1日10分、足先から」「天気のよい日は薄着で散歩」という記載がありました。
日光浴は赤ちゃんの健康にとってよいこと、ビタミンD不足によるくる病の予防に繋がるものだとされていました。
しかしさまざまな研究が進み、近年は過度な紫外線は赤ちゃんの肌へ悪影響を与えるものとされ、1998年には母子手帳から“日光浴”に関する記載が消えて“外気浴”を推奨するものに変わりました。
ビタミンD不足は外気浴で補おう
ビタミンDが不足すると骨が変形したり痛みが出たりする病気であるくる病を発症してしまう可能性があります。
そのためビタミンDの生成を助けるためにもしっかり外気浴をして日光を浴びる必要があります。
育児用粉ミルクには充分なビタミンDが含まれていますが、母乳はママの栄養摂取状況や季節などによってビタミンDの含有量は変化して不足しがちな傾向にあるので外気浴は欠かせません。
何分くらい日光に当たる必要があるのかは住んでいる地域や季節、時間などで変わってくるので明確にはいえませんが、環境省から出されている“紫外線 環境保健マニュアル2020”におおまかな記載があるので確認してみてくださいね。
注意したいのはビタミンDを生成するための紫外線は窓ガラス越しでは効果がないということ。
暑さ・寒さの対策のために窓越しで日光浴をすることもあると思いますが、必要な紫外線対策を練って外に出るようにしましょう。
赤ちゃん用のビタミンDのサプリも販売されています。
使用する際は事前にかかりつけのお医者さんに相談してからにしましょうね。
外気浴の進め方
赤ちゃんの外気浴はいつから、どのように進めていくのかをみていきましょう。
外気浴はいつから?
外気浴は家の外の空気や光に触れ、温度差や日光の明るさに慣れることをいい、生後1か月頃から開始していきましょう。
外気浴の進め方
① まずは窓を開けて外の風を部屋の中にを取り入れましょう
② 赤ちゃんが嫌がらないか様子を見ながら足元、膝下、全身…と風を感じていきましょう。
③ 風に慣れてきたら、風の少ない過ごしやすい日を選んで庭やベランダに出てみましょう。最初は5分くらいから徐々に時間を伸ばしていきましょう。
④ 赤ちゃんが屋外の風や明るさに慣れてきたら家の周りなど短時間の散歩に出かけましょう。人ごみは避けるほうがベター。
⑤ 公園や長距離の散歩は赤ちゃんが周囲に興味を示し始める生後3か月頃からがおすすめ。長くても3時間以内には帰ってきましょうね。
これからの季節は暑さが厳しく紫外線も強くなってきます。
無理して外出するのは赤ちゃんの負担になるし、パパ、ママの熱中症のリスクなどもあります。
夏のお出かけは朝晩の涼しい時間に短時間だけ行うか、ベランダや玄関先などの日陰に短時間だけにするなど天候や気候に合わせて無理せず進めましょう。
真冬の寒さが厳しいときも同様に無理して外に出ると風邪をひいてしまったり体温が下がってしまう可能性もあります。
カーテンを開けて窓越しに日光を感じたり、晴れた日中に暖かくして短時間だけ外に出るなど少しずつ慣れていきましょう。
外気浴の効果
外気浴にはどのような効果やメリットがあるのでしょうか?
身体の成長
外に出ることで温度の変化を感じながら体温を調整する機能が発達していきます。
また外部からの刺激を受けて病原体に対する抵抗力もついてきます。
日光に当たることでビタミンDの生成がされることから骨の成長を助けてくれます。
心の成長
外に出ることで温度や明るさの変化を感じるだけでなく、鳥の鳴き声や車の音、自然の匂いなど部屋の中では感じられなかった刺激がたくさんあるので五感をフルに使って新しい経験ができます。
赤ちゃんなりに新しいものに興味・関心をもったり、好奇心や探究心も育まれます。
親子のコミュニケーション
新しく見るものや触れるものがたくさんあるので「お花、きれいだね。」とか「車たくさん走ってるね。」など赤ちゃんにたくさん話しかける機会ができます。
赤ちゃんはまだ話すことはできませんが、パパ、ママから繰り返し声をかけてもらうことで「モノには名前がついているんだな。」と学習することにもつながります。
生活リズムが整う
外気浴が1日のスケジュールに加わることで、パパ、ママは少し忙しくなってしまうかもしれません。
しかし外に出かけることで程よい疲労感があってスムーズなお昼寝につながったり、お腹がすいて母乳・ミルクがよく飲めるようになるなど赤ちゃんとの生活にメリハリがついてきます。
日中に日光に当たることで体内時計が整うことで夜の睡眠もスムーズになり、結果として赤ちゃんとの生活が安定していくでしょう。
パパ、ママのリフレッシュ
赤ちゃんとの生活が始まると外出する機会が減ってしまい、パパ、ママも息詰まっていませんか?
外気浴・散歩ができるようになると赤ちゃんと外の空気を吸うことができ、パパ、ママのリフレッシュの時間にもなります。
子育てを楽しく前向きに続けるためにも気分転換することが大切です。
外気浴するときに注意するポイント
どんなことに気をつけて外気浴を進めたらいいのかをまとめます。
無理をしない
外気浴を始めてすぐの頃はとくに赤ちゃんに無理をさせないことが大切です。
赤ちゃんの体調や時間帯、気温に気をつけて徐々に時間や行動範囲を広げていきましょう。
直射日光を避ける
母子手帳の記載が変更されたように、近年の紫外線の強さは赤ちゃんの肌に大きなダメージを与えます。
デリケートな肌を守ったり熱中症を避けるためにも日中の日差しの強い時間は避けて、帽子や赤ちゃん用の日焼け止めローションを使って日焼け対策をしましょう。
まとめ
今も昔も赤ちゃんの丈夫な骨をつくるために日の光に当たることの大切さは変わりません。
しかし時代や環境の変化によって“今の最善”も変化していくため、今の最適な子育てをしていかれるとよいでしょう。
周りの人にうまく説明できないなと感じるときは、ぜひこの記事を共有して読んでもらって伝えるお手伝いができるといいなと願っています。
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