前回はこいのぼりについてのあれこれをまとめましたが、端午の節句のお飾りといえば五月人形も忘れてはいけませんね。
今回は五月人形を飾るようになった由来や意味、処分の仕方までをまとめました。
五月人形の由来と意味
そもそも“端午の節句”は古代中国の行事“五節句”の1つ。
“節句”は季節の変わり目という意味で、季節の変わり目には邪気が寄りやすいので厄払いをして無病息災を願う風習がありました。
季節ごとの飾りとお供えものをして厄払いをしていましたが、この時期に五月人形を飾るきっかけとなったのは、武士の時代である鎌倉〜室町時代の習慣から。
梅雨の前の今頃の季節になると武具(甲冑や兜など)を出して並べ、風通しをして手入れをしていました。
武士にとって甲冑や兜は身を守る大切な装備のため、五月人形には“我が子を守ってくれますように”という願いが込められています。
五月人形はいつ飾るの?
五月人形を飾り始める時期は決まっていません。
端午の節句の2〜3週間前にあたる4月の中旬頃から飾り始めるとよいでしょう。
前日である5月4日に慌てて飾る“一夜飾り”は“たった1日しか飾らないなんて神様に対して誠意が欠ける”という考え方から避けたほうがよさそうです。
年に1度しか出せない五月人形なので、せっかくだから早めに出して長く楽しみたいですね。
五月人形はいつ片付けるの?
片付ける日も決まっていません。
五月人形にはひな人形のように災いや厄払いの意味はないので急いでしまう必要はありません。
ただ繊細な作りであることが多いので、梅雨がくる前の晴れた日に片付けるとよいでしょう。
五月人形は誰が買うもの?
かつては母方の実家が贈るものとされていましたが、現代はパパ、ママが用意することが多いです。
というのもかつては結婚すると妻は夫の家に入って夫の両親と同居して暮らすのが当たり前とされていましたが、孫が生まれると離れて暮らす母方の両親が娘と孫の顔が見たいから、とこいのぼりや五月人形を持って家を訪れたんだとか。
今は両親と同居することが少なくなり、このような習わしはなくなってきているので、誰が買ってもよいものとされています。
みんなが子どもの成長を願いお祝いしたい気持ちがあると思うので、事前に話し合いをして誰が何を買うかを決めておくとよいでしょう。
五月人形は何歳まで飾るの?
何歳までという明確な決まりはありません。
五月人形には“我が子を守ってくれますように”という願いがあることから、自分を自分で守れるようになる=独立・成人するまで飾るという考え方もあるようです。
五月人形はおさがりを使ってもいいの?
五月人形は年に一度の端午の節句の日に“神様が寄り付くもの”とされる“依代”です。
子どもの健やかな成長を願うために神様に見守っていただくため、五月人形は1人1つ用意するのが理想とされています。
とはいえ飾るスペースや片付ける場所の都合もあると思うので、必ずしも大きいものである必要はなく、小さなものを並べてあげるなどお住まいに合わせたものを選びましょう。
五月人形はどうやって処分するの?
子どもが無事に自立し、守ってもらわなくても大丈夫になったときに五月人形の役目がおしまいになります。
自治体のルールに従って可燃ごみなどで処分しても大丈夫ですが、長い間我が子の成長と無事を願ってきてくれた五月人形とは感謝を込めて丁寧にお別れしたいもの。
そんなときはお寺や神社で人形供養をしていただきましょう。
とくに供養せず処分したからといって何か悪いことが起こるわけではありませんが、パパやママ、親戚、五月人形の持ち主である子どもと相談してみんなが納得できる形で手放しましょう。
まとめ
普段なかなか本物を目にすることがない兜や鎧、刀などは男の子の心をくすぐるかっこいいアイテムで、それを大好きなパパ、ママが自分のために飾ってくれるという幸せな体験になります。
年齢に合わせて五月人形の由来や意味を伝えていってあげると、パパ、ママからの愛情がより伝わるでしょう。
そしてその愛情をたっぷり受けて、強くたくましい男の子に成長していくことを願っています。
端午の節句に飾るのは五月人形だけではなく、こいのぼりもありますね。
こいのぼりを飾るようになった由来や意味は別でまとめているので興味がある方はぜひ読んでみてくださいね。

コメント